蔦紋

「蔦」は葡萄科に属する植物で、葉は「手のひら」状で、茎は蔓状です。節々毎に根を生やし、木や岩などのまとわりつきます。
  晩秋のころ紅色になり、あたかも「カエデ」の様に見えるので「ツタカエデ」ともいわれています。

「蔦」が家紋に取り入れられたのは、その美しさ故に、万葉集をはじめ、枕草子・栄華物語など、古くから書物に記され、また、衣服や器材などの「文様」として描かれていることは、絵物語などに散見されます。 ただ、家紋としてはっきりと文献に表れてくるのは徳川時代になってからでした。これは徳川家と関係が深かった松平氏(大給・三木・宮石・形原・石川・竹谷・瀧脇の各松平家)が「蔦」紋を使ったのと、将軍吉宗もこれを使いました。
  権力のある者が使用したので自然と「権威ある紋章」として認められたかたちのなり、比較的多くの武家が使用するようになったようです。
 「蔦」の持っている性質から、「茎が伸びながら根を生やして成長する」ことと、「一族」が蔦の様に、進出した場所で根をおろし、さらに繁栄することを願って、家紋へ登用したのでないでしょうか。
  「見聞諸家紋」帳には160家ほどが蔦を使用しています。それ故に種々の変形や合成紋が多い家紋です。